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女性の働く力を生かす 「SOHOが新戦力に」/「フロンティア九州 第4部ITアイランドへ(7)」
日経産業新聞(九州版朝刊)経済面 02.04.20

写真:兵土美和子
(自宅事務所)

 自宅にいてもオフィスと同様の仕事ができる。ブロードバンド(高速 大容量)通信や高性能パソコンなどの情報技術(IT)機器の普及で、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)と呼ばれるこうした勤務形態に注目が集まっている。

 「六十人の募集に三百人が集まりました」。情報処理関連の人材派遣を手がける福岡コンピュートセンター(福岡市、原則子社長)が、自宅でホームページ制作や画像処理などの仕事を手がけるSOHOを募集したところ、不況の影響もあるとはいえ、予想以上の応募者が殺到した。

 厳しい雇用情勢とは対照的に情報技術(IT)技能者は足りない雇用のミスマッチが続いている。働く意欲や技能を持っていても、育児などで外で働けない女性も多い。ブロードバンド通信でIT機器を駆使し「自宅でこなした仕事をネットで顧客企業に提出できる」(原田社長)環境になれば、幅広い分野でSOHOがミスマッチ解消の原動力になりえる。

 三年前にSOHO二人で福岡市で立ち上げた「あまらんすねっと」。SOHO間の情報交換の場を設け五十人以上にネットワークを広げ今月、NPO(非営利組織)化した。

 主宰者の一人、兵土美和子さんは自身も育児やリストラで三回の転職を経験、現在は自宅でマーケティングやウエブ管理をこなす。ここにきて「SOHOに関心を持つ企業から人材確保の相談が増えてきた」という。

 日本テレワーク協会(東京・千代田)の推計では、SOHOを含む個 人事業者数は今後二〇〇六年までの五年間に現在の四倍の四百万人に増える。うち三百万人は女性で占める とみる。同協会の堤幸男・主席研究員は「ITの普及を背景に企業のSOHO活用が始まり、新たな労働市場として期待できる」と分析する。

 福岡県内のSOHOもすでに約二万人を超えるとみられる。福岡県はこうした個人事業者の支援センターを昨年十一月に福岡市内に設立した。

 もちろん、SOHOが成長するには信用保証の問題や賃金・福利厚生など課題も多い。しかし、ITアイランドの到来は働き方を大きく変える可能性を秘めている。

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